お関① ~ 青い月夜

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いまも昔もヒトの考えることって実はあんまり変わらない。
日本舞踊のストーリーを読み解いて、そこに登場するキャラクターたちの
現代にも通じる想いをお伝えしていきたいと思います。
もしかしたら、あなたの悩みを解決するヒントがみつかるかも…

今回は、下町情緒が漂う昭和歌謡「十三夜」のお話です。

|十三夜

日本舞踊でもよく演じられる「十三夜」は、作詞 石松秋二、作曲 長津義司の昭和歌謡です。
作詞者の石松秋二は、「満州娘」や「九段の母」など、戦前戦中にヒットした多くの曲を作詞しています。
また、作曲者の長津義司は、田端義夫の「大利根月夜」や淡谷のり子の「君忘れじのブルース」、
三波春夫の「チャンチキおけさ」など戦前から昭和30年代にかけて大ヒット曲を数多く世に送り出して
います。
この曲は、樋口一葉の短編小説「十三夜」を題材にしています。曲の中で歌われているのは、
物語終盤の切ない未練と別れを描いた場面です。そして、その物語の主人公がお関です。
お関の心情を情緒豊かに描きつつ、月は切ない恋心を映しだす存在として表現されています。
お互いを想いながらも結ばれない哀しみ、過ぎ去った日々への後悔、胸に残った未練といった感情が
十三夜の月に重ねられ、昭和歌謡ならではの情緒と哀愁を漂わせながら、一葉の文学とはまた違った形で、
満ちきらない月に映る人の心を描いています。

|成立

「十三夜」の発売は、1941年で平洋戦争の開戦期と重なり、激化する戦時体制や厳しい検閲の影響で
ヒットには至りませんでした。
ところが、戦後になり、人々が平穏を取り戻し始めると再び歌われ始めたこの曲は、東海林太郎が
カバーしたことで、彼の代表曲として広く世に定着していきました。その後も二葉百合子をはじめとする
多くのアーティストにカバーされ、時代を超える名曲として今も歌い継がれています。

|最後に

いかがでしたか。月の美しさと人生の哀しさを歌った「十三夜」は、今も人気の叙情歌です。
きっとそれは、少し欠けた十三夜の月が私たちのまだ満ちきっていない心を照らしているからかもしれません。
次回は樋口一葉の「十三夜」をたどりながら、お関の心情に迫りたいと思います。

 

 

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